甘みがあり食感も良く水分たっぷりのスイカは、夏バテにも水分補給にも良いと言われています。
人間と同じ効果があるのなら、暑さで食欲が低下していたり、ちょっと元気が無くなってしまっている犬にも与えたいですよね。
しかし、種や実の白い部分は食べても大丈夫なのか?水分が多そうだから下痢は大丈夫なのか?とふと疑問になることもあります。
今回はスイカの良い点・注意点、スイカの与え方・適量などをお伝えしますので、参考にしてみて下さい。
スイカの良い点
スイカの栄養素
犬にスイカを与えることは、基本的に問題ありません。
スイカは約90%が水分で出来ており、残りのほとんどが糖質(炭水化物)であると言われています。
しかしスイカには、ビタミンCやβカロテンなどのビタミン類、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類も多く含まれています。
また、リコピンやシトルリンといった栄養素も豊富に含まれています。
スイカの代表的な栄養素はこちらです。
リコピン
カロテノイドの一種で、トマトやスイカに多く含まれている赤色の天然色素です。
優れた抗酸化作用があり、悪玉(LDL)コレステロールの酸化を防ぐことから、血流を改善する効果や生活習慣病の予防・改善効果も期待されています。
また、ガン予防や老化予防にも効果的だと言われています。
その他にも肥満を予防する効果や美肌効果、視機能を改善する効果もあり、優れた栄養素と言えます。
スイカにはトマトの約1.5倍のリコピンが含まれています。
シトルリン
アミノ酸の一種で、血管を拡げ血行を促進する効果や、血管を若返らせたり、若々しく保つ効果がある成分です。
また、体内に滞ると有害物質になってしまうアンモニアを体外に排出する働きや、乳酸の分解を促進する作用がありますので疲労回復にも役立つと言われています。
このシトルリンはスイカの赤い実の部分よりも、皮や皮に近い白い部分の方に多く含まれています。
ビタミンC
抗酸化作用や免疫力を高める効果があります。
また、脂肪代謝を促し、疲労回復やストレスにも良いとされています。
コラーゲンの生成にも関わる成分ですので、健康な皮膚や骨作りに役立ちます。
犬は自分の体内でビタミンCを生成出来るのですが、老犬や闘病中の犬などはその生成が追い付かないこともありますので、ビタミンC生成を補う食材として取り入れ易いと言えます。
βカロテン
風邪の予防などで知られているβカロテンは、抗酸化作用があり免疫力のアップにも役立ってくれます。
ビタミンCと一緒に摂取すると、相乗作用により更に効果を発揮します。
また、βカロテンは必要に応じて犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜などを健康に保ち、喉や肺などの呼吸器を守ります。
カリウム
食塩などに含まれるナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。
また、体内の水分バランスを調整し、利尿を促す働きもあります。
その為、むくみ・神経過敏・高血圧・不整脈・脳卒中・腎臓病などの予防に良いとされています。
その他には、疲労回復効果や代謝や神経を正常に働かせる効果もあると言われています。
食い付きが良い
スイカの甘みやみずみずしさ、食感が好きな犬は沢山います。
勿論犬によって好みはありますがこの食い付きの良さを利用して、食の細い犬・食欲が落ちている老犬・療養食やダイエット食を食べたがらない犬の食事のトッピングなどに使うことが出来ます。
また、夏バテ中の犬にも効果的です
スイカのカロリーは100gあたり37と低カロリーですし、他の果物に比べると比較的糖分は少ない方になります。
長期に渡り毎日連続して大量に与えなければ、ダイエット中の犬の良いおやつにもなるのではないかと思います。
こちらの記事もご参照下さい。
・どうしてドッグフードを食べないの?考えられる原因とその対処法
・愛犬家に絶対読んでほしい!犬の健康を守る14個の老化チェック
水分補給
スイカは約90%が水分で出来ていると言われています。
余りお水を飲まない犬の水分補給に、甘みや食感が良く好んで食べてくれ易いスイカをおやつなどで与えるのは効果的です。
スイカには利尿作用のあるカリウムも含まれていますので、余分な塩分の排出なども一緒に望めると言われています。
また、熱い夏場などに脱水症状に陥ってしまっている場合には、水分と一緒にカリウムも不足してしまいますので、これらを同時に摂取出来るスイカは脱水の解消に適しています。
スイカを与える際の注意点
アレルギー
スイカにアレルギー症状が出てしまう犬がいます。
また、スイカはウリ科の食べ物です。
その為、かぼちゃ・メロン・きゅうり・ゴーヤなど、ウリ科の食べ物にアレルギーがある犬には与えないで下さい。ウリ科の食べ物はこの他にもあります。
いずれかのウリ科の食べ物にアレルギーを持っているからといって、ウリ科の全ての食べ物に必ずアレルギー症状が出るというわけでもない様なのですが、アレルギー症状が出てしまう可能性は高くなりますので注意して下さい。
どの様なアレルギー症状がどの位の度合いで表れるかは個体差がありますが、
スイカを与えた際に、
●皮膚を痒がる
●くしゃみ・鼻水
●目の充血・目やに
●脱毛
●元気が無くなる
●嘔吐
●下痢
などの症状が出た場合にはアレルギーを疑ってみて下さい。
こちらもご参照下さい。
・犬がきゅうりを食べても大丈夫?アレルギーは?きゅうりの良い点と注意点
スイカの種・皮
犬はスイカの種や皮を消化出来ませんので、取り除いてから与えて下さい。
万が一種を食べてしまっても、ほとんどのケースでは消化されずにウンチと一緒に排出されますので大きな心配はいりませんが、超小型犬などの場合には注意してあげて下さい。
スイカの皮に近い白い部分は『シトルリン』も多く含まれており、犬に与えても問題無い部分ですが、緑の皮の部分は取り除いて下さい。
大量に与えない
犬は元々野菜や果物などの消化吸収が苦手ですので、スイカを大量に与えてしまうと何かしらの問題が引き起こされる可能性があります。
スイカは食物繊維が含まれており水分が大変豊富ですので、大量に摂り過ぎてしまうことで、下痢やウンチが緩くなってしまったり、胃酸過多になり嘔吐してしまうことがあります。
また、腸内細菌の働きにより発酵されたガスが腸に溜まってしまう場合もあります。
これらは特に胃腸が弱っている時などに起こり易いとされていますが、消化吸収能力には個体差があります。
少しの量を食べただけでも下痢や嘔吐をしてしまう場合もありますし、多くの量を食べても平気な犬もいます。
犬によって適量が異なりますので、スイカを与える際は犬の体調や食後の様子、ウンチの状態などに注意してみて下さい。
スイカの与え方
スイカを与える際の1日の適量の目安としては、中型犬で約30g程度だと言われています。
与える際には、皮と種を取り除き、消化吸収を助ける為に小さく切ったり、薄くスライスするなどして与えることが望ましいです。
スプーンの背などで実をつぶしたり、ミキサーなどでペースト状にしたり、スイカジュースを作ってみるのも良さそうです。
与える量としては大量に与えることは望ましくない為、おやつやいつものドッグフードにトッピングとして乗せる程度から始めて、愛犬の適量を探してみるのが良いと思います。
まとめ
今回はスイカの良い点・注意点、スイカの与え方・適量などをお伝えしました。
スイカは約90%が水分で出来ているにも関わらず、ビタミンCやβカロテン、カリウムが豊富だということが分かりました。
また、シトルリンというアミノ酸やトマトの約1.5倍のリコピンが含まれており、夏バテ解消に良いと言われるのも納得の食材でした。
夏場のワンちゃんの水分補給や食欲低下にも一役買ってくれそうでしたので、1日約30gという与える量には注意して、是非ワンちゃんと旬の味覚を楽しんで下さい。
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