本当に怖い犬の歯周病!その症状や原因、治療について

犬の口臭歯茎の赤み腫れなどが気になることはありませんか?

その場合は、歯周病を疑ってみて下さい。

実は犬は虫歯になることはほとんどないと言われており、犬の口内の病気と言えばこの歯周病が断トツに多いのです。

歯周病は外見からだけではその発症に気付きづらく犬も異変をほとんど示さないので知らない内にどんどん進行し、その異常に気付く頃には手遅れになってしまっているケースも有り得ます。

今回は放置するととても怖い歯周病症状原因、その治療予防法などについてお伝えします。

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歯周病

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歯周病とは、歯肉に炎症が起こる歯肉炎と、その歯肉炎が更に進行した歯周炎総称をいいます。これに歯槽膿漏が含まれる場合もあります。

歯周病には、その進行時点ごとに別の病名があるということですね。

ではまず、その病気の進行の流れを簡単に説明します。

1.唾液や食物が歯に蓄積し菌膜(ペリクル)が出来る。

2.その菌膜(ペリクル)に細菌が増殖し、歯垢(プラーク)になる。

3.歯垢(プラーク)が石灰化し歯石になる。

4.歯垢(プラーク)や歯石などにより歯肉に炎症が起こると、歯肉炎といわれる病気になる。

5.その炎症が進行していくと、歯肉や歯を支えている歯茎などの組織が破壊され痛みを感じるようになり、これが歯周炎と呼ばれる段階になります。

では、その進行の段階ごとに詳しくご説明していきます。

菌膜(ペリクル)

唾液由来の薄い膜で、通常の歯には必ず存在するものです。

菌膜(ペリクル)は口内を保護し潤いを保つなどの働きをしていますが、時間の経過と共に細菌が発生してきます。

歯磨きなどで簡単に取れるものではあるのですが、適切なケアをしないとこの細菌が歯垢(プラーク)に繋がるものになってしまいます。

歯垢(プラーク)

菌膜(ペリクル)が出来てから、約24時間程度で歯垢(プラーク)になってしまいます。

食べかすなどに発生した細菌の塊といってもいいでしょう。

この細菌に更に食べかすや唾液などが交じり合い、歯の表面に付着したものが歯垢(プラーク)です。

歯垢(プラーク)は歯磨きなどの物理的刺激で取ることは出来ますが、唾液や口をゆすぐ程度で取ることは出来ません。

ましてや歯周ポケットといわれる歯と歯茎の隙間にある部分に発生してしまうと、歯磨きなくして取り去ることは難しくなります。

歯石

歯垢(プラーク)を2~3日放置すると、歯垢(プラーク)にカルシウムリンが付着し石灰化して歯石になってしまいます。

犬の唾液はアルカリ度が高いので、人間よりも早く歯石化していきます。

歯に付着した歯石の表面はザラザラしていますので、その歯石に更に歯垢(プラーク)が付き易くなり歯石になってしまうという悪循環を引き起こします。

歯石は歯磨き程度では容易に取ることは出来ず、取り去ることが出来たとしても歯の表面に薄い膜などが残ってしまい再石灰化し易くなります。

歯肉炎

細菌が増殖した歯垢(プラーク)や歯石が原因となって引き起こされる歯肉や歯茎の炎症を歯肉炎といいます。

細菌の中には毒素を出すものもあり、放出された毒素とその毒素を排除しようとする免疫細胞との攻防により、歯肉組織が刺激され炎症が起きます。

歯周炎

歯肉炎がひどくなり、歯を支える膜や骨などの歯肉歯茎以外の歯周組織にまで炎症が広がってしまった状態を歯周炎といいます。

細菌が増殖すると、歯と歯茎の間のポケットの奥へとその範囲を広げていき、歯周ポケットを深くします。

その歯周ポケットの中で細菌はバイオフィルムという、酵素や抗生物質では取り去れないヌルヌルとしたバリアの様なものを作り出します。

歯槽膿漏

歯肉炎や歯周炎により歯周組織が損傷し、歯周ポケットに膿が溜まり溢れ出たり歯が抜け落ちてしまう様な状態を歯槽膿漏といいます。

これが進行していくと歯の根とその周囲の骨を溶かすようになってしまいます。

その為、頬や顎の腫れ膿が皮膚を突き破り出てきたり、歯茎に穴が開いて鼻と口を隔てる骨が繋がってしまう場合があります。

超小型犬などの顎が小さい犬種では、顎の骨が溶けて弱くなり折れてしまう場合もあります。

また、細菌が歯周組織の血管から体内に侵入し全身に運ばれ、心臓(心内膜炎や弁膜症)・肺(肺炎)・肝臓(肝炎)・腎臓(腎炎)など、体の重要な臓器の病気などの全身への疾患を引き起こす原因にもなります。

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歯周病の症状

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●口内や息、唾液が臭う

●歯の色が黄色く、黄色~茶色の歯石が溜まっている

●歯が長くなったように見える

●歯茎に赤みや腫れ、出血がある

歯周病の初期段階である歯肉炎の時点では、歯石が確認出来たり、歯茎炎症を起こし赤く腫れていたりなどの症状が見られます。

●歯茎から膿が出ている

●唾液を垂らす

●顔が腫れたり、口を足で掻いているなど気にしている

●噛み方や食べ方が普段と違い遅かったり、痛がったりする

●食欲がない、おもちゃなどをくわえたがらない

●元気がなくなる

次の段階の歯周炎では、歯垢(プラークや)歯石が蓄積されることによる強い口臭が発生します。

症状が更に進行していくと、口を気にしたり、痛がったり、食欲や元気がなくなったりといった口内に異常を感じている様な行動や仕草が見られます。

●くしゃみや鼻水、鼻出血がある

●歯が抜ける

●目の下や頬などの皮膚を突き破り膿が出てくる

●顎などの骨がもろくなる

●全身の疾患を引き起こす

そのまま歯周病を放置すると歯が抜けてしまったり、顎の骨に影響を及ぼすだけでなく、歯周病菌が血管を通って全身に広がり心臓や腎臓・肝臓などの内臓疾患を引き起こします。

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歯周病の原因

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歯垢(プラーク)・歯石

歯周病の原因は歯磨きにあるといっても過言ではないと思います。

歯磨きを怠っていたり、正しい歯磨きが出来ていなかったりと口内を清潔に保てなければ、歯垢(プラーク)や歯石が溜まってしまうのは、犬も人間も同じです。

加齢

加齢による原因としては年と共に唾液の分泌が少なくなり、口内の洗浄機能が低下細菌感染への抵抗力も落ちてしまうというものが挙げられます。

しかし元々犬の唾液は人間に比べるとアルカリ性が高く歯垢(プラーク)から歯石になるスピードが早い傾向にあり、3才以上の犬が最もかかり易い病気であり、老犬の約8割が歯周病を発症するともいわれています。

こちらの記事もご参照下さい。

愛犬家に絶対読んでほしい!犬の健康を守る14個の老化チェック

歯並び

歯並びによる原因は、顎が小さい為に歯が密生している小型犬によくみられます。

これは犬の歯の本数が、その体の大きさなどに関係なく42本と決まっていることによります。

また単純に歯並びが悪いと充分な歯磨きがし辛くなる為、細菌増殖の原因になります。

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歯周病の治療

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歯垢(プラーク)や歯石の除去(スケーリング)・抜歯

歯周病の治療は、細菌が増殖し炎症が起こる原因となっている歯垢(プラーク)や歯石を取り除くことを主とします。

歯周病の初期段階である歯肉炎の段階では、毎日適切な歯磨きをして歯垢(プラーク)や歯石を取り除き、口内を清潔に保ってあげれば改善することもあるそうです。

しかし素人判断は禁物です。

その歯磨きの指導なども含め、口内の異常が認められたなら早目の受診をおすすめします。

症状が進んでいる場合には、歯垢(プラーク)や歯石を取り除くスケーリングが行われます。

進行具合や獣医さんにもよりますが、この歯石除去(スケーリング)は犬が暴れてしまい怪我をしたり、ストレスを感じてこれからの口内ケア全般を嫌がったりしない様に、主に全身麻酔下で行われます。

この歯石除去(スケーリング)に使われるのは、スケーラーと呼ばれる金属器具や超音波の細かい振動で歯石を粉砕し洗い流す機械などです。

その他にも、歯石の土台などを完全に除去する為に研磨(ポリッシング)をしたり、歯石を付きにくくするコーティングをして、再発を防ぐ方法などが行われることもあります。

歯をなるべく残す治療がなされることが多い様ですが、症状がかなり進行してしまっている場合には抜歯することも有り得ます。

重要な臓器に疾患がある持病を持つ犬や、高齢犬の為リスクが高く全身麻酔を掛けられず歯石除去(スケーリング)を行えない場合には、麻酔を掛けずに出来る範囲での歯石除去(スケーリング)や、抜かざるを得ない歯だけの抜歯などが行われます。

他にも炎症の起きている歯肉を洗浄し膿を取り除いたり歯石を柔らかくし除去し易くなる薬などを使用した歯磨きや、口内の細菌バランスを整え保つのに有効な生菌剤を使用するなどの初期的な治療が行われる場合もあります。

抗生物質などの投薬

投薬治療には、先述した歯石を柔らかくするものや生菌剤の他、炎症を抑える抗生物質歯肉炎軽減剤などが投与されたりします。

ただこれらは対処療法であり、根本的な治療には繋がらない場合が多い様です。

その他疾患への処置

歯周病の進行により顔や顎に穴が開いてしまった場合には、そちらの治療も行います。

細菌が血液によって全身に運ばれ、心臓や内臓などの疾患に繋がってしまった場合も同様です。

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歯周病の予防

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日常的な歯磨き

歯周病を予防するには、日常的な口内のチェック歯磨きが基本となります。

24時間程で菌膜(ペリクル)から歯垢(プラーク)が形成されてしまいますので、理想としては毎日歯磨きが出来れば良いのですが、健康な歯肉を維持する為に最低でも週3回の歯磨きを心掛けてみて下さい。

↓こちらの記事もご参照下さい。

犬の歯磨きってどうやるの?簡単歯磨きシートや歯ブラシを使った磨き方

犬へのヨーグルトの効果は?口臭予防やてんかんにも良いって本当?

デンタルケア商品を使用する

歯磨き以外の予防法としては、

・歯垢(プラーク)が付着しにくく歯石が出来難いドックフードを与える

・歯磨き効果のあるガムなどのおやつを与える

・口内の細菌バランスを補正するサプリメントを与える

など、デンタルケア系のフードおやつサプリメントなどを与えるという方法もあります。

ウエットタイプや缶詰などの柔らかいドッグフードなどを与えている場合には、少し固いドッグフードに切り替えてみるのも良いそうです。

よく噛んで食べることにより唾液の量が多く分泌され、歯に付着した細菌を洗い流してくれ易くなりますし、歯の隙間にドックフードが残り難くなります。

他には、歯磨きよりも手軽な口腔洗浄スプレーを習慣化してみたり、飲み水に入れられるタイプのマウスウォッシュなどを使用してみるのも良いと思います。

また、歯磨き効果のあるおもちゃも多種多様に出ていますので、犬に合ったおもちゃを選んであげられればひとり遊びやスキンシップの中でも予防に繋がります。

↓こちらの記事もご参照下さい。

歯磨きをさせてくれない犬には歯磨きガム!おもちゃは?サプリは?デンタルグッズ色々

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歯周病になりやすい犬種

●チワワ

●ヨークシャーテリア

●トイプードル

●ブルドッグ

●パグ

●シーズー

●マルチーズ

●ミニチュアダックスフンド

小型犬や、頭蓋が広く鼻口部の短い短頭種に多く見られます。

また小型犬は、歯を支えている骨も大型犬のものより薄いので、骨が溶け初めてしまうなどの歯周病の進行も大型犬よりも小型犬の方が早くなります。

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まとめ

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今回は犬の歯周病についてお伝えしました。

歯周病には、細菌の増殖により歯茎に炎症が起きる歯肉炎と、その歯肉炎がひどくなり歯を支える膜や骨などの歯の周りの歯周組織が破壊される歯周炎があり、その総称を歯周病と呼ぶということが分かりました。

治療が遅れると増殖した細菌が血管の中に入り込み、全身に運ばれ心臓や内臓にまで影響を及ぼしてしまう、細菌が根源の怖い病気だということも分かりました。

歯周病は予防が最も重要でそれが可能な病気であり、ワンちゃんにとって歯は人間以上に大事な部分であるともいえます。

歯磨きを定期的に行い、歯周病のサインでもある歯茎の腫れなどの歯肉の色の変化や、歯垢(プラーク)が溜まっていないかなどの口内の観察を習慣づけ、歯周病の早期発見早期治療を心掛けてワンちゃんの口内や歯の健康を守ってあげて下さい。

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