目が乾くのに人間とは違う犬のドライアイ、その原因と治療法

犬のまばたきが多かったり、目の光沢が失われていたり、犬の目の病気の中でも涙に関係する病気がドライアイです。

目を潤す涙が何らかの原因で少なくなることにより、目が乾燥し起こるのがドライアイです。

しかし、パソコンやスマホを使うわけでもないのに犬にもドライアイってあるの?と思われた方も多いことでしょう。

実は犬のドライアイとは、そもそもその原因が人間のものとは違うのです。

今回はその人間とは違う犬のドライアイについて、その症状・原因・治療・なりやすい犬種、についてお伝えします。

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ドライアイ

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目の表面が乾いて角膜と結膜に炎症が生じた状態ドライアイといいます。

ドライアイは、乾性角結膜炎とも呼ばれています。

ドライアイと聞くと人間と同じ病気だと思ってしまいがちですが、実は犬のドライアイは人間のものとは全く異なっています。

まず、同じドライアイでも人間と犬では目が乾くという症状は同じでも、ドライアイの原因が違うのだということを理解しましょう。

犬のドライアイ

目の表面は涙膜と呼ばれる涙の層で覆われていてます。

そして、上まぶたにある涙腺と下まぶたにある瞬膜腺(第三眼瞼腺)に、まばたきなどの刺激が与えられることにより、この涙膜に涙が分泌され目の表面を潤し角膜を守る様に出来ています。

犬のドライアイは、涙腺が何らかの原因により正常に機能しなくなってしまい、3層ある涙膜の構成バランスが乱れてしまった為に涙の量や質に問題が起こり、目が乾燥してしまうことによって角膜や結膜に炎症が起こる病気です。

人間の場合は、まばたきの回数が減少することによる目の乾燥をドライアイと言います。

しかし犬の場合は、目の乾燥を防ぐ機能自体に問題が起きていることをドライアイと言うのです。

その為いくらまばたきの回数が増えたとしても、目の潤滑液である肝心の涙が正常に分泌されてこないので、余計に角膜や結膜などを傷付けてしまうことになります。

犬のドライアイは、正常に涙が分泌されていないという根本的な原因を解決しなければならないのです。

涙についてはこちらもご参照下さい。

犬の涙が多い?涙を流す原因は?涙にまつわる目の病気と涙について

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ドライアイの症状

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●目に潤い(光沢)が無くなる

●目やにが出る

●充血する

●目が濁る

●まばたきが多くなる

●痛みやかゆみが出る

初期段階では、目の汚れや細菌を洗い流すことが出来なくなる為に、結膜炎や角膜炎に似た、大量の目やに充血痒みや痛みなどの症状が現れます。

ドライアイにより実際に結膜炎や角膜炎を併発しているケースも多い様です。

進行が進んでいくとこれらの症状に加え、当初は白っぽかった角膜がメラニンによって広範囲に黒ずんでしまい目が濁ってきます。

この症状が悪化すると、角膜に穴が開いてしまい失明してしまうこともあります。

症状から結膜炎角膜炎などの病気だと思い治療を進めているのにあまり改善がみられない…、といった場合に実はその根本的な原因がドライアイにあったということもあるそうです。

ドライアイを見分けるポイント

正常に涙が分泌されている場合には、眼球と下まぶたが接する部分をよく見てみると少量の涙が溜まっていることが確認出来るそうです。

この少量の涙の有無がドライアイを見分けるひとつのポイントになるそうですので、そちらをチェックしてみるのも良いと思います。

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ドライアイの原因

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犬のドライアイの原因は多種多様に及んでいますが、その要因は大きく2つに分けることが出来ます。

・涙の量の減少や涙の質が悪くなることにより起こるもの

・涙の蒸発が早くなってしまうが為に起こるもの

2つです。

涙の量の減少・涙の質の低下

涙の分泌に関する原因としては、涙を供給している涙腺や瞬膜腺(第三眼瞼腺)の異常が最もあげられます。

この腺に異常を引き起こす要因としては、

●生まれつき涙腺が閉じているなど、先天性の欠陥や異常がある

●涙腺の物理的損傷

●ウイルスなどによる炎症

●免疫細胞が自己の涙腺細胞を異物と誤認識してしまい、自己の涙腺細胞を自ら破壊してしまうことによる免疫介在性疾患

●涙腺細胞にジステンパーウイルスが感染し、涙腺の分泌機能が低下している

などが挙げられます。

その中でも免疫介在性の原因が1番多いようです。

涙の蒸発が早い

涙の蒸発が早くなってしまう原因としては、

●蒸発を防ぐ油分の分泌の低下など涙の成分が悪くなっている

●涙の分泌に関係する神経細胞や、まばたきに必要な顔面神経などに異常が起こっている神経障害

●老化による涙腺の萎縮

●眼球の表面積が広いなどの物理的な原因

などがあります。

その他にも、

●チェリーアイ(瞬膜露出症)の治療として瞬膜腺(第三眼瞼腺)の切除をした

●眼球周辺の腫瘍に対して放射線治療を行った

場合もドライアイの原因になります。

遺伝的な要因が疑われる犬種もあるようですが、詳しいことはまだ解明されていないようです。

また、慢性的にまぶたの炎症や結膜炎・角膜炎などの病気を患っていると、涙腺組織にも炎症が広がり涙腺の機能が低下してしまいますので、そちらからの原因も考えられます。

この様に様々な要因が考えられる為、犬のドライアイの原因特定は難しくなってしまうようです。

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ドライアイの治療

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点眼薬や眼軟膏

治療は主に点眼薬眼軟膏が用いられます。

1番多い原因である免疫介在性のドライアイの場合には、

●免疫抑制剤の入った眼薬

●涙の分泌を人工的に増やす涙促進薬

●角膜と結膜を乾燥から防ぐ涙液を補う人工涙液

●細菌感染のある場合には抗生物質

などを使用するなど、その様々な原因や症状に応じた点眼薬や眼軟膏が使用されます。

目が乾く度にこまめに点眼を行う必要がありますが、2〜3週間程で目が潤い目やになども少なくなってきます。

諸事情によりこまめに点眼が出来ない場合には、点眼薬よりも眼軟膏の方が乾き難いですから、軟膏タイプの目薬を…と獣医さんに相談してみることをおすすめします。

しかしドライアイは、点眼などの治療で完治することは難しいと言われています。

一時的に改善がみられても点眼を止めるとまたすぐに再発してしまうケースが多い為、一生を通して治療を継続しなければならないこともあるようです。

勿論早期発見早期治療を行うことが出来れば、それだけ完治する確立も高くなります。

視力にも影響を及ぼす色素が病気の進行により目に沈着してしまいますと、治療ではそれを取り去ることは難しいとも言われていますので、やはり早めに適切な処置を受けたいですね。

外科手術

症状が進行した場合や点眼などで改善がみられない場合には、涙腺を人工的に繋げるなどの外科手術が行われることがあります。

その他の外科手術では、耳の下にある耳下腺という唾液の分泌器官を結膜に移植するという少し特殊なものもあるそうです。

しかし唾液と涙液ではその成分が違う為、犬によっては違和感が強く出てしまうケースも有り得ます。

そしてこの様な手術をした場合でも、点眼薬などによる補助的な治療は必要となってしまうようです。

また、痒みにより目を足でかいてしまったり、床や壁などに顔をこすりつけてしまう場合には、これを防ぐ為エリザベスカラーなどが使用されます。

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ドライアイにかかりやすい犬種

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●コッカースパニエル

●ブルドッグ

●パグ

●シーズー

●チワワ

●マルチーズ

●テリア

●ラサアプソ

●キャバリア

目の大きくて丸い眼球の表面積が広い犬種に多くみられます。

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まとめ

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今回は、ドライアイという涙に関係する病気についてお伝えしました。

一般的に目が乾いてしまうという症状で知られているドライアイですが、このドライアイの原因が人間とワンちゃんとでは全く違うものであるということは意外でしたね。

そしてその原因が様々ある為に特定が難しく1度患ってしまうと再発し易くなってしまい、長期の治療が必要になるケースが多いということでした。

しかし早期発見早期治療により、ワンちゃんの視力や目の健康を少しでも守ることは可能ですので、何らかの異常が感じられた場合には早目の受診をおすすめします。

そもそも涙とはどういう仕組みで分泌され排出されるのかなどの、涙についての詳しい記事もありますので、そちらも併せて病気について知ることに役立てて頂ければと思います。

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