きゅうりは生のまま手軽に食べられますので、犬に与えてみたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
また、きゅうりは水分が多く味や風味が強くない為、犬も好き嫌いなく食べてくれそうでダイエット食などに応用したいという飼い主さんもいらっしゃると思います。
しかしその水分の多さから、栄養ってどれだけあるのかな?与えてもあんまり意味がないのかな?とも思ってしまいますよね。
今回はきゅうりの良い点・注意点、きゅうりの与え方や適量などをお伝えします。
きゅうりの良い点
きゅうりの栄養素
犬にきゅうりを与えることは、基本的に問題ありません。
きゅうりは『世界一カロリーの少ない果実』としてギネスブックに登録されており『世界一栄養のない野菜』とも呼ばれている程、栄養価が少ない食べ物です。
きゅうりはそのほとんどが水分で出来ています。
栄養素としては少量のビタミンCやビタミンKなどのビタミン類、そしてこちらも少量のカリウムやカルシウムなどのミネラル類が含まれています
また、きゅうりに含まれているアスコルビナーゼという酵素がビタミンCを破壊してしまう作用があるという誤解がありますが、破壊ではなく酸化させる作用の間違いになります。
これは、ビタミンCには還元型(通常ビタミンCと呼ばれていたものがこちらです)と酸化型があり、当初酸化型ビタミンCはビタミンCの総量に含まれていなかった為、酸化することによりビタミンCではなくなる=ビタミンCの量が減るとされていた為です。
しかし、後の研究で酸化型ビタミンCは体内で還元型に戻るということが判明した為、現在では還元型と酸化型の総量をビタミンCの量としています。
上記のことから、きゅうりを食べてもビタミンCは破壊されません。
きゅうりの代表的な栄養素はこちらです。
カリウム
食塩などに含まれるナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。
また、体内の水分バランスを調整し、利尿を促す働きもあります。
その為、むくみ・神経過敏・高血圧・不整脈・脳卒中・腎臓病などの予防に良いとされています。
その他には、代謝や神経を正常に働かせる効果もあると言われています。
ビタミンC
抗酸化作用や免疫力を高める効果があります。
また、脂肪代謝を促し、疲労回復やストレスにも良いとされています。
コラーゲンの生成にも関わる成分ですので、健康な皮膚や骨作りに役立ちます。
犬は自分の体内でビタミンCを生成出来るのですが、老犬や闘病中の犬などはその生成が追い付かないこともありますので、食材などで補う必要がある場合があります。
ビタミンK
抗出血作用があり、不足してしまうと出血の際に血が凝固し難くなってしまいます。
その他にはカルシウムが骨から排出されてしまうのを防ぎ定着させる効果がありますので、骨の形成を助け骨粗しょう症の予防に役立ちます。
ホスホリパーゼ
人間のダイエット方法である、すりおろしきゅうりダイエットで注目された酵素です。
ホスホリパーゼには、脂肪を分解する働きがあり体の代謝を良くする効果があると言われています。
水分補給
きゅうりは約95%が水分で出来ていると言われています。
余りお水を飲まない犬の水分補給に、食感が良く好んで食べてくれ易いきゅうりをおやつなどで与えるのは効果的です。
きゅうりには利尿作用のあるカリウムも含まれていますので、余分な塩分の排出なども一緒に望めると言われています。
また、熱い夏場などに脱水症状に陥ってしまっている場合には、水分と一緒にカリウムも不足してしまいますので、これらを同時に摂取出来るきゅうりは脱水の解消に適していると言えます。
更にきゅうりには体を冷やす作用があります。
鼻が短い、パグ・ペグニーズ・ボストンテリア・フレンチブルドッグ・シーズーなどの短頭種は特に暑さに弱いと言われていますので、水分不足には気を付けてあげて下さい。
ダイエット
きゅうりのカロリーは100gあたり14カロリーと低いものになります。
また、約95%が水分で出来ていますので、ダイエット中の犬の食事のかさ増しや手作りダイエット食を作る際に役立ちます。
きゅうりのシャキシャキとした食感は、ダイエット中の食事の満足感にも繋がります。
犬のダイエットについては、
こちらもご参照下さい。
きゅうりを与える際の注意点
アレルギー
きゅうりにアレルギー症状が出てしまう犬がいます。
また、きゅうりはウリ科の食べ物です。
その為、かぼちゃ・メロン・スイカ・ゴーヤなど、ウリ科の食べ物にアレルギーがある犬には与えないで下さい。
ウリ科の食べ物はこの他にもあります。
いずれかのウリ科の食べ物にアレルギーを持っているからといって、ウリ科の全ての食べ物に必ずアレルギー症状が出るというわけでもない様なのですが、アレルギー症状が出てしまう可能性は高くなりますので注意して下さい。
どの様なアレルギー症状がどの位の度合いで表れるかは個体差がありますが、
きゅうりを与えた際に、
●皮膚を痒がる
●くしゃみ・鼻水
●目の充血・目やに
●脱毛
●元気が無くなる
●嘔吐
●下痢
などの症状が出た場合にはアレルギーを疑ってみて下さい。
こちらもご参照下さい。
大量に与えない
犬は元々野菜などの消化吸収が苦手ですので、きゅうりを大量に与えてしまうと何かしらの問題が引き起こされる可能性があります。
きゅうりは食物繊維が含まれており水分が大変豊富ですので、大量に摂り過ぎてしまうことで、下痢やウンチが緩くなってしまったり、胃酸過多になり嘔吐してしまうことがあります。
また、腸内細菌の働きにより発酵されたガスが腸に溜まってしまう場合もあります。
これらは特に胃腸が弱っている時などに起こり易いとされていますが、消化吸収能力には個体差があります。
少しの量を食べただけでも下痢や嘔吐をしてしまう場合もありますし、多くの量を食べても平気な犬もいます。
犬によって適量が異なりますので、きゅうりを与える際は犬の体調や食後の様子、ウンチの状態などに注意してみて下さい。
きゅうりの与え方
きゅうりを与える際の1日の適量の目安は、小型犬で1本の3分1~半分程度だと言われています。
きゅうりを生のまま与えることも、皮ごと与えることも問題ありません。
ただ皮は栄養が多くありますが、消化が良くない部分になります。
その為、消化吸収を助け丸呑みにより喉や食道に詰まらせてしまわない様に、小さく切って与えることが望ましいです。
また、きゅうりの脂肪分解酵素はすりおろすことで更に活性化されると言われていますので、ミキサーなどでペースト状にして与えたり、すりおろしきゅうりなどにして与えることも良いと思います。
与える量としては大量に与えることは望ましくない為、おやつやいつものドッグフードのトッピングとして与えることから始めて、愛犬の適量を探してみるのが良いと思います。
ダイエット中の食事量のかさ増しや水分不足を補う為に与える場合にも、いきなり多めに与えるのではなく少しずつきゅうりの割合を増やして様子を見るなど、与える量には十分注意して下さい。
まとめ
今回はきゅうりの良い点・注意点、きゅうりの与え方や適量などをお伝えしました。
約95%が水分で出来ており世界一栄養素が無い野菜であるきゅうりですが、水分補給や体を冷やす作用など夏場には活躍しそうな食材でした。
また、その水分の多さや食感の良さを利用して、ダイエット中の食事のかさ増しやおやつなどにも活躍してくれそうでした。
ご家庭の食卓にも頻繁に登場し安価であるきゅうりですから、ワンちゃんの水分補給やダイエットに手軽に取り入れてみて下さい。
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