猫が吐く6つの理由と疑われる5つの病気について

猫は他の動物と比べてもよく吐く動物です。猫は狩りをする動物なので、元は獲物を一度食べてからねぐらに戻り、吐き戻して子猫に与える習性がありました。そのため食道から胃にかけての消化器官が柔らかくできているのです。

吐きやすい体の構造をしているので、猫は体に不調を感じるとすぐに吐いてしまいます。私たち人間も食べ過ぎなどが原因で胃がもたれたり、吐き気がすることはよくありますよね。吐いても他に異常が見られなければ問題ありません。

今回は、猫が吐くことについて詳しく取り上げたいと思います。さまざまな原因をまとめていますので、猫を飼っている方はぜひご一読ください。

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猫が吐くとき

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猫が吐く理由は体調不良や、餌の相性などさまざまな理由が考えられます。まずは日常的によく見られる原因から挙げていきます。

 食べ過ぎ

お腹が空いている時、与えられた餌を一気食いしてしまうことで、食べたものを吐き出してしまうことがあります。吐いた物を見て、未消化の餌が確認できるようなら食べ過ぎの可能性が高いです。

毎回食事の際に吐き戻しをするようであれば、一気食いを防止するための容器を使ったり、少量ずつ与えるなどしてみてください。

食事の問題

急に新しい餌に切り替えてしまうと、嘔吐してしまうことがあります。餌のパッケージを見ると、切り替える際には7~10日ほどかけて徐々に切り替えることが推奨されているものが殆どです。

適切な方法としては、これまで与えていた餌に、新しい餌を少量ずつ混ぜ、時間をかけて切り替えていくようにしましょう。

毛玉を吐く

また猫はキレイ好きな生き物なので、しょっちゅう毛づくろいをしています。その際、飲み込んでしまった毛を吐き出すことがあるのです。

毛玉は胃の中に溜まりすぎると毛球症になってしまうので、ブラッシングや毛玉対策の餌に切り替えるなどして予防しましょう。

こちらの記事も参考にしてください。

猫の毛づくろい(グルーミング)する5つの理由と3つの注意点について。

草を食べて吐く

猫は毛づくろいで飲み込んでしまった毛を吐き出す時や、お腹の調子が悪い時に、草を食べる習性があります。これは食物繊維を摂取して便通を良くする他、吐き気を促すためのものです。市販されている「猫草」を与えている飼い主も多いですね。

しかし植物の中には猫にとって有害な成分を含んでいるものもあります。屋外であっても農薬や除草剤などが付着していたりする場合があるので気をつけましょう。

有害な植物

  • ユリ科
  • キンポウゲ科
  • ツツジ科
  • トウダイグサ科
  • ナス科

熱中症

夏の蒸し暑い室内の中で過ごしていると、熱中症にかかってしまうことがあります。猫では比較的あまり見られませんが、一度熱中症にかかってしまうと、死亡してしまう恐れもあります。

猫が荒い呼吸を繰り返し、よだれを大量にたらしていたら、熱中症の可能性があります。症状が進むと吐く、ふらつく、失神するといった状態がみられます。

対処法としてはとにかく体を冷やすことを先決にし、猫を涼しい場所へ移動させてください。濡れたタオルで全身を包み、水をかけてあげても良いでしょう。症状が落ち着いたからといって油断せず、動物病院で診てもらった方が安全です。

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中毒や誤飲による嘔吐

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熱もないのに呼吸が荒くなったり、嘔吐や下痢が見られるようになったら有害物質の誤飲による中毒が疑われます。いつ何を誤飲したかわからない場合、症状が出始める前の猫の行動を振り返って獣医師に伝えてください。

有害物質には吐き出させてよいものと、吐き出させると気管を傷つけてしまうものがあります。

猫に有害な食品

一般的に知られている食材としては、チョコレートや玉ねぎがあげられます。調理されているものであっても有害ですので要注意です。また家庭内の薬品を舐めてしまい、中毒を起こしてしまうこともあります。

中毒症状は1〜2日後に出ることがあり、異物が胃や腸を傷つけたり詰まったりして徐々に体調を崩すことも考えられます。

応急処置として、猫の皮膚に毒物がついた時には水で洗い流し、目に入った時には薄めた食塩水で目を洗います。しかし毒物を体内に摂取してしまった場合は、無理に吐かせようとせず動物病院へ連れて行きましょう。その際、何をどれくらい飲み込んだのか、獣医師に伝えるようにしてください。

胃内異物

猫の誤飲は、ボールやおもちゃ、果実の種、靴下やタオル、ゴム手袋、ビニール、プラスチック片、焼き鳥の串、毛糸、魚の骨など、小さな物を飲み込むことが多いです。

胃内に胃物が存在すると、嘔吐を引き起こしやすいです。異物を飲み込んだ可能性がある場合は、診断と摘出を兼ねて内視鏡検査をすることがあります。異物が大きい場合やヒモ状の異物の場合は外科的な処置を行う必要があります。小さな異物は嘔吐を起こさせて摘出を試みる場合もありますが、鋭利な胃物では難しく、薬剤が胃粘膜に悪影響を及ぼすこともあります。

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嘔吐から考えられる病気

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猫が吐く原因として1番多いのは、胃腸炎や胃拡張、胃捻転など消化器のトラブルです。はじめは消化途中の食べ物を吐きますが、繰り返すうちに胃液を吐くようになります。酷くなると血が混ざることもあります。

  • 繰り返し何度も吐く
  • 血が混ざる
  • 食後に激しい運動をしたら吐いた
  • 腹部が急激に膨らむ

以上の様子がみられた場合は、何かしらの異常が考えられます。

同じ吐く動作でも、食べたものをそのまますぐに吐く場合、吐出(としゅつ)といいます。食べ物が胃に届く前に吐いてしまうことです。これは食道炎や食道狭窄、巨大食道症といった食道のトラブルが主な原因としてあげられます。

吐くという症状は消化器系の病気に多く見られますが、他にも腎臓や肝臓の問題、内部寄生虫や頭部への衝撃など、さまざまな理由から起こります。繰り返せば体力を消耗し、脱水症状から重篤な状態になることもありますので、早期に獣医師の診断を受けることが重要です。

動物病院で診てもらう時には、以下のポイントを伝えるようにしてください。

  • どんなものを吐いたか
  • 吐く前に何を食べたか
  • 何日続いているか
  • 吐く以外に症状があるか

嘔吐から疑われる主な病気を下記にまとめました。

急性胃腸炎

胃や腸に炎症が起こる疾患のことをいいます。原因は不適切な食事や異物の摂取、ウィルス、細菌、寄生虫の感染によるもの、あるいは薬物摂取などにより急激な症状が見られたものを指します。

症状は嘔吐や食欲不振が多く見られ、下痢を伴うものもあります。嘔吐の頻度によっては脱水や発熱を伴うケースもあります。急性の場合は死亡する危険があるので、直ちに動物病院で診てもらう必要があります。

食事療法の治療が必要ですが、嘔吐が激しいときには絶食を行います。しかし2日以上の絶食は行わず、1食抜く、あるいは1日絶食した後に消化吸収のよい食事を与えます。短期間の絶食で改善してしまう場合や、吐き気止めの投与や点滴等の処置で回復するものが多いです。

内科療法としては粘膜保護剤や胃酸の分泌を抑制する薬剤あるいは、制吐剤などが用いられます。また嘔吐により水分が不足している場合には輸液療法が必要です。

予防として、与える餌や水を常に清潔に保つように心がけてください。特に夏場は餌が腐りやすいので、食べ残しを放置するのは避けましょう。また、細菌やウィルスが感染することで胃腸炎を引き起こす場合もありますので、ワクチン接種を受けましょう。

こちらの記事も参考にしてください。

猫のワクチン接種の必要性について。時期、費用、種類、副作用まで一括まとめ!

慢性胃腸炎

胃粘膜の炎症が持続し、薬などを投与していても嘔吐が改善しないものを慢性胃炎といいます。嘔吐は毎日起こるのではなく、散発的な吐き気を見せる場合もあります。

治療は内視鏡検査を行い、粘膜面や十二指腸を観察します。胃炎と腸炎が同時に発生している場合や、胃の病変は軽度であっても腸炎が激しい場合などが多く見られます。慢性胃炎は胃だけの疾患だけでなく、肥満細胞腫という腫瘍などによって胃酸分泌が亢進し、二次的に胃炎が起こる場合があります。

また慢性腸炎は猫でも多く発症する腸疾患です。小腸疾患での特徴的な症状には嘔吐と下痢が含まれます。

成猫よりも子猫の方が慢性胃腸炎にかかる可能性が高いです。寄生虫や餌が合わないことが理由になりますので、日頃から便の状態を確認するなど、よく観察していてください。

こちらの記事も参考にしてください。

猫の寄生虫、6種類の症状と対処方法について

猫の便秘がよく分かる!原因、病気、治療、改善のまとめ

猫の下痢には6つの原因があった!対処、改善策について。

猫の血便は早期対処が必須です!4つの原因と自宅でのケア、受診時の注意点について

食道炎

薬物や化学物質、異物の誤飲、過度の嘔吐や胃液の逆流による逆流性食道炎などがあげられます。食欲不振やよだれを流したり、食事の際に痛みを伴う症状がありますが、軽度ではわからないことが多いです。

症状や経過から食道炎が疑われる場合には、内視鏡検査をする必要があります。しかし内視鏡検査は麻酔が必要のため、検査後に食道炎を起こさないよう注意が必要です。健康な食道粘膜はピンク色をしており、粘膜面が平滑であるのに対し、食道炎の粘膜は表面が不整となり、さらに発赤や出血などがみられます。

治療は炎症のある部位の粘膜を保護し、胃酸の逆流を抑制して食道炎の悪化を防ぎます。食道炎を放置してしまうと、食道狭窄が起こります。食べたものが食道を通過せず、吐き出してしまいます(吐出)。

食道狭窄

食道の一部が狭くなり、食事が通過できなくなった状態を食道狭窄といいます。これには生まれつきの奇形による血管の異常で食道が狭くなってしまう血管輪の異常と、食道炎が悪化して起こるものとがあります。

血管輪の異常の場合、離乳食を与えた頃に症状が出始めます。ミルクを与えている時は平気でも、固形食を与え始めると吐出してしまうという特徴があります。

症状は吐出やよだれが一般的で、食後にすぐ吐いてしまうという状態や流動食は食べられるものの、固形食は吐いてしまうなどの症状がみられます。

消化管内寄生虫感染症

寄生虫の中で小腸の症状を示す主なものは、猫回虫、条虫などがあげられます。

回虫

猫回虫が寄生している場合、嘔吐や下痢を示します。成猫はそれほど症状は示しませんが、子猫では重篤な症状がみられる場合が多いです。

猫回虫は3〜12㎝程度の白く細長い虫で、糞便中に虫卵として排泄されます。排泄された虫卵が外界で発育し成熟卵となり、それを猫が食べ物などと一緒に飲み込むことで感染します。

また妊娠猫が感染していると出産後の乳を介して子猫にも感染します。

条虫

猫の消化管に寄生し、片節と呼ばれる体の一部分を排泄します。肛門の周辺部に付着したり、寝床の周辺に落ちた片節は乾いて小さな米粒のように見えます。この片節の中に虫卵が含まれており、これに感染したノミから猫が感染します。

症状としてはお尻がムズムズするため、床にお尻をこすりつけるような動作を見せます。寄生虫が多くなると、栄養障害のため痩せてきたり、成長不良がみられます。

回虫や条虫は駆虫薬での予防が可能です。

こちらの記事も参考にしてください。

猫の寄生虫、6種類の症状と対処方法について

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まとめ

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猫の嘔吐について、さまざまな原因を探ってみましたが、いかがでしたでしょうか?もともと吐きやすい動物とはいっても、猫が突然嘔吐をしてしまうとびっくりしてしまいますよね。まずは落ち着いて、嘔吐物の状態を確認し、必要であれば動物病院で診てもらうようにしてください。

原因の中には飼い主が対処することで防げるものも多くあります。周りに誤飲してしまうものがないか、有毒な植物はないか、適切な餌であるかなど、今一度飼育環境を見直してみてくださいね。

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